会社から2026年分の年末調整案内と翌年の扶養申告書が届くと、どの年の数字を書けばよいのか迷います。令和8年分の年末調整は、当年の様式と改正内容を確認し、本人や家族の所得見積、保険料などの資料を揃えて勤務先へ申告するのが基本です。前年の記入例をそのまま使わないことが出発点になります。
2026年分は、基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件、23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除について変更があります。必要な書類は本人の状況で異なり、給与収入が2,000万円を超える人など年末調整の対象外となる場合もあります。
変更点、対象者、申告書の準備順、提出前後の確認を従業員向けに整理します。当年の所得と翌年の予定を分け、該当する控除の資料を確認すれば、自分が何を用意して会社へ出すか判断しやすくなります。
2026年の年末調整は当年の様式と改正点を確認
基礎控除など四つの変更点
2026年分を準備するときは、国税庁の令和8年分年末調整の手順で変更点を確認します。前年と給与や家族の人数が同じでも、適用する控除の条件まで同じとは限りません。
主な変更は、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正、23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例です。基礎控除は合計所得金額に応じて最大104万円となりますが、全員が最大額を使うわけではありません。
給与所得控除は給与収入から給与所得を計算する際に使い、基礎控除などの所得控除はその後の段階で反映します。似た名称でも役割が違うため、給与収入からすべてを一度に引くような自己流の計算は避けてください。
2025年の書類・金額をそのまま使わない
昨年の申告書は、契約や家族情報を思い出す参考にはなります。しかし、控除額や所得要件、計算欄まで今年と同じとは限りません。用紙や電子画面が令和8年分に対応しているか確認しましょう。
国税庁の給与所得者向け年末調整案内には、申告書や記載例がまとめられています。検索結果から古い見本を開いたときは、資料の年分を確認してから使ってください。税制改正の施行前に行う中途年末調整については、年末の通常処理と条件を分ける必要があります。
年末調整の対象になるか勤務状況を確認
年末まで勤務する給与所得者が基本
年末調整は、原則として扶養控除等申告書を提出している人について行います。年を通じて勤務した人や、年の途中に就職して年末まで勤務している人が基本となります。
「会社員なら誰でも必ず対象」「扶養家族がいなければ対象外」という判断ではありません。扶養控除等申告書は、扶養する人がいない従業員にも関係する書類です。勤務先の案内で自分の提出状況を確認してください。
給与収入2000万円超や中途退職は別条件
給与収入が2,000万円を超える人など、年末調整の対象にならない人もいます。二社で同時に働く人の従たる給与や、年の途中に退職した人についても、通常の年末在職者とは分けて確認が必要です。
中途退職には一定の例外があるため、「12月に在籍していないから絶対に年末調整されない」とも言い切れません。退職日だけでなく、勤務状況や給与の支払などを確認し、国税庁の年末調整の対象者の説明と勤務先の処理を照合します。
| 主な状況 | 確認の方向 | 注意点 |
|---|---|---|
| 年を通じて勤務・年末まで勤務 | 年末調整の対象条件を確認 | 申告書の提出状況も確認 |
| 給与収入2,000万円超 | 対象外として確定申告を確認 | 会社へ書類を出すだけで税額精算完了とはならない |
| 中途退職 | 例外や再就職先の扱いを確認 | 退職月だけで決めない |
| 二社で同時勤務 | 主たる給与と従たる給与を区別 | 他社分を単純合算しない |
必要な申告書を順に準備する
家族情報と本人・配偶者の所得見積を整える
最初に、本人と家族の氏名や生年月日、住所、生計の状況、当年の所得見積などを整理します。子の就職、配偶者の勤務時間の変更、親の年金など、前年から変わった情報がないか確認してください。
所得見積は、給与の手取り額をそのまま入力するものではありません。給与収入から給与所得を計算し、他の所得があれば当年の申告書に沿って含めます。本人の基礎控除、配偶者控除等、特定親族特別控除などは、それぞれの所得や条件で判断します。
家族の状況が分からない場合は、提出期限直前に推測で入力せず、本人に確認しましょう。同じ子などを夫婦が重ねて申告しないよう、どちらで控除を受けるかも照合します。
保険証明書や住宅ローンの資料を揃える
生命保険料や地震保険料、本人が別途納めた国民年金などを申告する場合は、当年の控除証明書や納付記録を揃えます。証明書の区分、対象年、金額と実際の支払状況を確認し、所定の欄へ記入してください。
| 確認する内容 | 主な申告書・資料 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 家族や扶養の状況 | 扶養控除等申告書 | 年齢・所得・異動を確認 |
| 本人や配偶者等の所得 | 基礎控除等に関する申告書 | 当年の収入と所得を区別して見積もる |
| 保険料等の控除 | 保険料控除申告書、控除証明書等 | 区分・新旧・支払者を確認 |
| 住宅ローン控除 | 対象年の控除申告書、方式に応じた残高情報 | 初年度と2年目以後を区別 |
住宅ローン控除は、初めて受ける年には確定申告が必要です。給与所得者の2年目以後は年末調整で受けられますが、提出資料は借入先の方式などによって異なります。残高証明書が届いたから初年度も会社で完了する、と判断しないようにしてください。
すべての従業員が表の資料をすべて提出するわけではありません。自分に該当する控除と、勤務先の提出案内を対応させます。電子データを使う場合は、勤務先が受け付ける形式や提出方法も確認しましょう。
勤務先へ提出する前後の確認
当年分と翌年分の申告書を分ける
2026年分の年末調整では当年の所得を確認する一方、会社から2027年分の扶養控除等申告書も渡されることがあります。当年の確定に近い見積と、翌年の予定は別の情報です。用紙の上部や画面の年分を見て入力しましょう。
前年の用紙を上書き保存して使う場合も、対象年だけでなく項目と計算方法が当年に対応しているか確認が必要です。勤務先が指定した様式やシステムを使い、提出が終わったことを確認できる控えを残しておくと、後の照合に役立ちます。
会社の提出期限は給与計算の都合などで設定されます。全国一律の「この日まで」と思わず、社内案内を確認してください。控除証明書が届かない場合は、再発行の手続きと並行して、勤務先へ状況を伝えます。
見積が変わったら給与担当へ連絡
提出後に賞与や家族の収入見積が変わった場合は、勤務先へ連絡します。金額が変わると控除区分などへ影響する場合があるため、提出時の内容を放置せず、訂正が必要か確認しましょう。
年末調整の結果、源泉徴収された税額が年税額より多ければ還付、少なければ追加徴収となります。全員に一定額が支給される制度ではありません。給与明細や源泉徴収票を受け取ったら、申告した内容が反映されているか確認してください。
当年の様式を確認し、本人と家族の情報、控除の証明書、勤務先の提出方法を順に揃えることが準備の基本です。個別の適用が分からない場合は、国税庁の該当年分の説明と勤務先への確認を併せて進めましょう。
情報確認日:2026年11月4日。2026年末の通常の年末調整を中心に整理しています。2026年12月1日施行の改正を、それ以前の中途年末調整へ無条件に適用しないよう注意してください。


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