中点連結定理は、三角形の2辺の中点を結ぶ線分が、第3辺と平行になり、長さは第3辺の半分になるという定理です。図形問題で「中点」と書かれていても何から考えるか迷ったら、まず二つの中点がどの辺にあるかを探し、残った第3辺を確認しましょう。
大切なのは、使う条件と導ける結論を分けることです。三角形ABCでMがABの中点、NがACの中点なら、MNとBCが対応し、MN∥BCとMN=BC÷2がいえます。図で半分くらいに見えるだけでは、中点と決めて定理を使うことはできません。
ここでは相似による証明、長さを求める自作例題3問、中点と平行が与えられた場合の考え方を順に説明します。全体の長さと半分の長さを取り違えず、問題文の条件から必要な式を自分で作れるように整理します。
中点連結定理の内容と使える条件
三角形ABCを考え、辺AB上に中点M、辺AC上に中点Nを置きます。「MがABの中点」はAM=MB、「NがACの中点」はAN=NCという意味です。二つの条件がそろえば、線分MNは第3辺BCと平行になり、長さはBCの半分です。
| 分けて読む項目 | 式や記号 |
|---|---|
| 中点の条件1 | AM=MB |
| 中点の条件2 | AN=NC |
| 平行の結論 | MN∥BC |
| 長さの結論 | MN=BC÷2 |
基本の内容はJICAの数学教材でも扱われています。以下の証明や例題は、相似の条件と定理から組み立てた説明です。
図を読むときは「中点二つ→中点を結ぶ線分→残った辺」の順に見ます。ABとACの中点を結ぶなら、長さを比べる相手はBCです。ABやACを半分にする式と、MNがBCの半分になる式を混ぜないようにしましょう。
相似を使った中点連結定理の証明
小さい三角形AMNと、大きい三角形ABCに注目します。相似は、形が同じで大きさの比がそろっている関係です。ここでは2組の辺の比が等しく、その間の角が等しいことを使います。
- MはABの中点なので、AM÷AB=1/2。
- NはACの中点なので、AN÷AC=1/2。
- MはAB上、NはAC上にあるので、角MANと角BACは同じ角。
- 2組の辺の比とその間の角が等しいため、△AMN∽△ABC。
相似の対応はAとA、MとB、NとCです。したがって、辺MNと辺BCの比も1:2になり、MN=BC÷2が導けます。また対応する角AMNと角ABCが等しいので、ABを横切る線としてMNとBCを見ると同位角が等しくなり、MN∥BCといえます。
ここでANと比べたのはAC全体です。Nが中点ならAN:NCは1:1ですが、AN:ACは1:2です。半分同士の比較と、半分と全体の比較を区別すると、証明の比を正しく書けます。
長さを求める例題3問
以下は定理の使い方を確かめるための自作例題です。どの問題もMはABの中点、NはACの中点とします。計算する前に中点の条件を確かめてから、MNとBCの対応を書きましょう。
例題1:第3辺の長さから求める
問題:BC=12cmのとき、MNの長さを求めてください。
中点連結定理から、MN=BC÷2です。BCの値を入れると、MN=12÷2=6cmとなります。ここで求めたいMNは、BC全体に対して半分の長さです。答えを入れ直し、6×2=12になることも確かめられます。
「中点だから半分」という言葉だけで済ませず、「MNがBCの半分」と対象を書くと、どの長さを計算したのかが明確になります。
例題2:中点を結ぶ線分から第3辺を求める
問題:MN=4.5cmのとき、BCの長さを求めてください。
MN=BC÷2なので、BC=MN×2と変形します。よってBC=4.5×2=9cmです。今回は全体のBCを求めるため、4.5をさらに半分にする計算ではありません。9÷2=4.5と戻して確認できます。
例題3:文字を含む式から求める
問題:MN=x+1cm、BC=3x−2cmのとき、xとMN、BCを求めてください。
長さの関係MN=BC÷2を使い、2(x+1)=3x−2と置きます。式を展開して2x+2=3x−2、移項するとx=4です。したがってMN=4+1=5cm、BC=3×4−2=10cmになります。
最後に、MNの2倍がBCになっているか確認します。5×2=10なので定理の関係に合っています。xの値だけで終わらず、問題が求める線分の長さと単位まで書いてください。
中点と平行から考える使い方
中点が二つわかっている場合
二つの中点が条件として与えられれば、平行と長さの半分という二つの結論を使えます。長さを問われる問題でも、平行がほかの角の関係に使える場合があります。最初に両方を書き出し、必要な方を選ぶと整理しやすくなります。
一辺の中点を通り、第3辺に平行な直線がある場合
今度はMがABの中点とわかり、Mを通ってBCに平行な直線がACと交わる点をNとします。このときも相似を使えます。平行線による角の一致と共通の角から、△AMN∽△ABCです。
AM:AB=1:2なので、AN:ACも1:2になります。つまりANはACの半分です。AC=AN+NCだから、AN=NCとなり、NがACの中点だと導けます。これは「中点一つ」と「平行」の条件を組み合わせた考え方です。
平行が書かれていないのに、線分の長さが半分というだけで残りの条件まで補ってはいけません。何が最初から与えられ、何を証明するのかを区別しましょう。
間違えやすい点と復習
間違いを確認するには、次の三つを順に見直します。図の見た目ではなく、問題文や証明した内容を根拠にしてください。
- 中点の条件:MとNがそれぞれどの辺の中点なのか。二等分の等式を書けるか。
- 対応する辺:小さい三角形AMNと大きい三角形ABCで、MNに対応するのはBCか。
- 全体と半分:求める辺は全体か半分か。掛ける2と割る2を逆にしていないか。
たとえばAM=MBだけが与えられ、Nの位置もMNとBCの平行も不明なら、そのまま中点連結定理を使う条件はそろっていません。わからない部分を中点に見立てるのではなく、別の条件や相似が使えないかを探します。
復習では、図から中点を二つ探し、AM=MB、AN=NCを書き、続けてMN∥BCとMN=BC÷2を書いてみましょう。条件と結論を分けて表せれば、長さの問題でも証明の問題でも、定理を使う場所を判断できます。


コメント