育休中に給付金が振り込まれると、年末調整の給与収入へ足すのか迷うことがあります。雇用保険の育児休業等給付は非課税で、給与収入の見積に含めません。一方、休業前や復職後に会社から支払われた課税給与、年内の賞与などは、別に確認して見積もります。
育休は退職とは違うため、休業中という理由だけで本人の年末調整や書類提出が一切不要になるとは判断できません。また、配偶者の年末調整で控除を受けられるかを確認するときも、非課税の育休給付を合計所得金額へ加えず、当年の給与等から所得を求めます。税の控除と健康保険の扶養も別の制度です。
給付と給与の区別、本人の勤務先での手続き、配偶者へ伝える所得見積、年内の支給が変わった場合の対応を整理します。振込総額をそのまま年収にせず、支払の種類ごとに確認できるようになります。
育児休業等給付は給与収入の見積に含めない
雇用保険の給付と会社給与を分ける
雇用保険の育児休業等給付は非課税です。厚生労働省の育児休業に関する案内で、給付の取扱いを確認できます。銀行口座へお金が入ったという理由だけで、給与収入にまとめて加えないようにしてください。
年末調整で給与収入を見積もる際は、会社の給与明細や支給資料と、給付に関する通知を分けて整理します。入金額の合計ではなく、何の名目で支払われた金額かを確認することが出発点です。
会社からの賞与や独自手当は別に確認
育休中でも、会社から賞与や給与、独自の手当などが支払われる場合があります。雇用保険の給付が非課税だからといって、会社が支払うすべてのお金も非課税になるわけではありません。
| 受け取ったお金 | 年末調整の確認 | 主な資料 |
|---|---|---|
| 雇用保険の育児休業等給付 | 非課税で給与収入見積へ含めない | 給付に関する通知 |
| 休業前・復職後の課税給与 | 当年の給与収入として確認 | 給与明細、会社の年間見込 |
| 会社からの賞与 | 課税給与と合わせて確認 | 賞与明細 |
| 会社独自の手当等 | 支給内容と課税上の取扱いを確認 | 会社の支給案内、明細 |
明細にある名称だけで判断できない場合は、勤務先へ課税対象の給与に含まれるか確認してください。給付の振込先と給与の振込先が同じでも、税務上の区分まで同じになるわけではありません。
育休中の本人の年末調整を確認する
休業前の給与や年内賞与を集計
当年の途中から育休へ入った人は、休業前に給与や賞与を受け取っている場合があります。休業中の給与がゼロでも、年間の給与収入までゼロとは限りません。1月から12月の対象給与を集計してください。
年内に復職した場合は復職後の給与も加えます。まだ支給されていない賞与がある場合は、会社の案内や予定に基づいて見積もり、後で変わった場合に確認できるようにしておきましょう。
給与所得の計算では、手取りではなく対象給与の収入金額を使います。そこから当年の給与所得控除などを反映して所得を求めるため、給与明細の振込額と所得金額を混同しないことが必要です。
書類提出の要否と方法は勤務先へ確認
育休は雇用関係を終了する退職ではありません。本人の年末調整の対象や書類提出は、当年の給与支払や勤務先の手続きに沿って確認します。「休業している人は何も出さなくてよい」と一律には判断できません。
自宅へ紙の書類が届くのか、会社のシステムへ入力するのか、証明書はどこへ出すのかを早めに確認しましょう。休業中に社内システムへ接続できない場合も、担当者へ代替の方法を相談してください。
保険料控除を申告する場合は、当年に本人が実際に支払った対象保険料などを確認します。前年と同額が自動的に控除されると思わず、今年の証明書と支払状況を揃えてください。
配偶者側の年末調整で所得見積を伝える
育休給付を合計所得へ含めない
育休によって給与が減った場合、配偶者側で配偶者控除等を確認することがあります。この判定でも、非課税の育児休業等給付は合計所得金額へ含めません。給付の年間振込額が多いというだけで控除対象外と決めないようにします。
一方、本人が受け取った給与や賞与、他の所得は所定の方法で確認します。「育休中だから所得ゼロ」と決めず、休業前を含む当年の所得見積を配偶者へ伝えてください。必要な数字は生活費として受け取ったお金の総額ではなく、税制上の所得です。
国税庁にも育児休業給付と配偶者控除の所得判定に関する説明があります。過去の年の説明を読む場合は、給付の扱いと控除の金額条件を分け、金額条件は申告する年の資料で確認してください。
2026年分の配偶者控除の条件を確認
2026年12月の通常の年末調整では、配偶者控除の相手側の合計所得金額は62万円以下が基準です。給与収入しかない場合は136万円以下に対応します。ほかの所得がある場合は、給与だけの基準では判断できません。
控除を受ける配偶者本人の合計所得金額が1,000万円以下であることなど、双方の条件を確認する必要があります。国税庁の配偶者控除の説明で婚姻や生計等の要件も照合してください。育休中であることだけで控除が決まるわけではありません。
配偶者控除の基準を超える場合は、配偶者特別控除の対象となる可能性もあります。勤務先の当年の申告書や記載例を確認し、所得見積に応じた控除区分を選びましょう。
税の配偶者控除の対象となっても、健康保険の扶養へ自動的に入るわけではありません。育休中の社会保険の扱いと税の控除は分けて、加入先や勤務先へ確認してください。
提出後に見積や給与が変わった場合
追加支給・復職後の給与を反映
提出後に賞与が決まったり、予定より早く復職したりすると、年間給与の見積が変わる場合があります。追加支給や給与訂正があったときも、当年の所得見積へどう反映するか勤務先へ確認します。
見積が変わると、本人の基礎控除等や配偶者側の控除区分へ影響する可能性があります。金額が確定してからまとめて考えるのではなく、変更が分かった時点で資料を確認し、必要な連絡を進めましょう。
夫婦双方の勤務先へ必要事項を確認
本人の勤務先で給与見込の訂正をしただけで、配偶者の勤務先の申告内容まで自動更新されるわけではありません。配偶者側で控除を申告している場合は、修正した所得見積を共有し、必要な訂正方法を確認します。
夫婦双方が控除を申告する際は、誰の所得をどの年の見積として伝えているかをそろえます。会社の提出期限はそれぞれ異なる場合があるため、両方の案内を確認してください。給与がゼロに見える月だけを抜き出さず、年間の課税給与と非課税給付を分けて整理することが、育休中の年末調整の基本です。
情報確認日:2026年11月4日。雇用保険の育児休業等給付と会社給与を区別した一般的な整理です。個別の支給や年末調整、社会保険の扱いは勤務先・加入先等で確認してください。


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