会社から「年末調整の申請書を出してください」と言われても、どの用紙を探せばよいか分からないことがあります。年末調整には一枚ですべてを済ませる共通の申請書があるわけではなく、扶養、基礎控除等、保険料、住宅ローンなど、目的に応じた申告書を使います。まず会社が求めている書類名と紙・電子の提出方法を確認します。
必要な書類は本人の状況で異なります。扶養家族がいなくても関係する申告書がある一方、住宅ローン控除など該当者が使う書類もあります。会社から当年分と翌年分の用紙が同時に渡される場合は、印刷された年分の違いにも注意してください。
「申請書」と呼ばれる書類の正式な種類、目的別の選び方、国税庁の様式と記載例の入手先、提出前の確認を整理します。手元の案内と必要書類を対応させれば、不要な用紙を探し回ったり、対象年を取り違えたりする負担を減らせます。
年末調整の申請書は複数の申告書を指す
一枚ですべての控除を申請するわけではない
年末調整で従業員が提出する書類は、一般に控除に関する「申告書」です。「年末調整申請書」という言い方だけでは、扶養控除等申告書なのか保険料控除申告書なのかを特定できません。
まず、会社の案内メールや配布物で正式な書類名を確認しましょう。複数の申告内容が一つの様式にまとまっている場合もありますが、それぞれの欄には違う目的があります。名前が長いからといって、どの控除の欄も同じ内容を写せばよいわけではありません。
国税庁の給与所得者向け年末調整案内では、対象年の申告書や記載例を確認できます。会社の案内にある名称と照合して、必要な書類を選んでください。
まず会社の紙・電子の受付方法を確認
会社が電子システムで受け付けている場合、国税庁の用紙を印刷して出せばよいとは限りません。指定システムへの入力、証明書データの取込み、紙の証明書の提出など、社内の方法を先に確認します。
画面で質問に答えると必要な欄が表示される方式もあります。手元に紙がないから申告不要と判断せず、会社のログイン案内や提出予定を確認してください。提出方法が分からない場合は給与・人事担当者へ相談しましょう。
目的別に必要な申告書を選ぶ
扶養・基礎・配偶者・特定親族の申告書
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、本人や家族の状況、必要な異動などを申告する書類です。扶養家族がいない人も関係するため、「扶養」の文字だけで自分には不要と判断しないでください。
基礎控除、配偶者控除等、特定親族特別控除、所得金額調整控除に関する申告書では、本人や配偶者、対象親族の所得見積などを確認します。令和8年分の正式な様式と記載例で、該当する欄を確認しましょう。
| 主な申告書・申告内容 | 確認する目的 | 準備する資料・情報 |
|---|---|---|
| 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 | 本人・家族の状況と異動 | 氏名、年齢、所得や生計など |
| 基礎控除等に関する申告書 | 本人等の所得に応じた控除 | 本人・配偶者・対象親族等の所得見積 |
| 給与所得者の保険料控除申告書 | 対象となる保険料等の控除 | 控除証明書、支払記録等 |
| 住宅借入金等特別控除申告書 | 年末調整での住宅ローン控除 | 対象年の申告書、方式に応じた残高情報等 |
表は書類選択の入口です。家族登録を済ませたことと、必要な控除の申告を終えたことは同じとは限りません。勤務先の提出一覧で、どの書類や画面が未完了かを確認してください。
保険料と住宅ローンの申告書
保険料控除申告書は、生命保険料、地震保険料、本人が別途支払った社会保険料、対象となる共済等の掛金を申告する際に使います。保険会社から届く控除証明書は、申告内容を証明する資料であり、申告書そのものとは役割が違います。
住宅ローン控除の書類は、対象となる人が用意します。初めて控除を受ける年の確定申告と、2年目以後に給与所得者が年末調整で受ける手続きは区別が必要です。住宅のローンがあるというだけで、全員が同じ用紙一枚で済むわけではありません。
自分が該当しない控除について、証明書がないことを理由に新しく保険へ加入したり、無理に申告額を作ったりする必要はありません。実際の対象支払や条件に沿って、必要な申告を選びましょう。
公式様式と記載例を入手する方法
国税庁の令和8年分案内を開く
紙の様式が必要な場合は、国税庁の給与所得者向け年末調整案内から対象年の書類と記載例を確認します。2026年分なら令和8年分に対応するものを選んでください。
検索エンジンで書類名を調べると、過年度のPDFや記入例が表示されることがあります。ダウンロードする前に年分を確認し、今年の控除額や項目に対応した用紙かを見てください。書類の名前が同じでも、計算欄や条件が前年と同じとは限りません。
記載例は、どこへどの情報を書くかを確認するために使います。見本にある家族構成や金額を自分へ当てはめず、本人の給与・所得、家族、保険などの資料を基準に記入しましょう。
会社の指定システムがあれば案内に従う
電子申告の場合、紙の様式と画面の順番が違うことがあります。書類名が表示されず、家族、所得、保険などの質問へ回答する方式でも、申告している内容の意味を確認してください。
証明書の画像添付と電子証明書データの提出では、受け付ける形式が違う場合があります。会社がどちらを求めているか確認し、画面を撮影しただけで提出完了とは決めつけないようにします。入力後は送信・提出の状態まで確認しましょう。
年分・添付資料・提出先を確認して提出
当年分と翌年分の扶養申告書を分ける
年末には、当年の控除申告と翌年の扶養控除等申告書を同時に扱う場合があります。2026年分の年末調整に使う数字と、2027年分の予定を混同しないよう、用紙や画面の年分を確認します。
家族の就職や退職などで翌年の予定が変わる場合、当年と翌年で同じ情報とは限りません。内容を機械的にコピーせず、それぞれの書類が確認している時点に合わせて記入してください。
年末調整の対象条件は、国税庁の対象者の説明も確認できます。提出した書類があるから必ず年末調整の対象になる、あるいは家族がいないから対象外という判断は避けましょう。
証明書不足や書類名不明は給与担当へ
従業員の年末調整書類は、原則として勤務先の指定する窓口へ提出します。必要な申告書をすべて税務署へ自分で直接送ればよいという手続きではありません。確定申告とは提出先と役割が違います。
会社から求められた書類名が分からない場合は、案内の該当箇所を示して担当者へ確認します。証明書が届かない場合も、発行元へ再発行を確認しつつ、勤務先へ不足状況と提出予定を伝えてください。社内の期限と後日提出の扱いは会社ごとに確認が必要です。
最後に、必要書類、対象年、記入した情報、証明書、提出方法と完了状態を照合します。書類の名称と目的を対応させることが、年末調整の「申請書」を選ぶ際の基本になります。
情報確認日:2026年11月4日。2026年分の書類選択を中心に整理しています。実際に提出する様式と方法は国税庁の対象年案内および勤務先の指示で確認してください。


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