年末調整の家族情報画面に、配偶者や子、離れて暮らす親をどこまで入力するのか迷うことがあります。扶養家族の扱いは、家族として登録されているかだけでなく、本人との関係、年齢、生計、合計所得金額などの条件で確認します。配偶者の控除と、それ以外の親族の扶養控除も別の制度です。
2026年12月に行う通常の年末調整では、扶養親族の所得要件は合計所得金額62万円以下です。給与の振込額だけで判定せず、その年の所得を見積もります。16歳未満は所得税の扶養控除がなくても、住民税等に関する家族情報の記入が必要な場合があります。
家族情報の準備、子どもや親の年齢区分、健康保険の扶養との違い、夫婦間の重複と当年・翌年書類の確認を整理します。家族の登録と税の控除を分けて考えれば、入力すべき情報と確認する条件を特定しやすくなります。
年末調整の扶養家族は年齢と所得の条件を確認
配偶者の控除と扶養控除を分ける
所得税の扶養控除は、配偶者以外の親族などについて、要件を満たす場合に受ける控除です。夫や妻は、扶養控除の対象に入れるのではなく、配偶者控除や配偶者特別控除の条件を確認します。
勤務先のシステムでは配偶者も子も同じ「家族情報」へ登録することがありますが、入力画面が一つだから税制上も同じ扱いとは限りません。家族情報を揃える段階と、それぞれの控除を判断する段階を分けましょう。制度の要件は国税庁の扶養控除の説明で確認できます。
2026年分は合計所得金額62万円以下が基準
扶養親族には、生計を一にしていることや、所得要件、事業専従者に関する要件などがあります。2026年12月の通常の年末調整では、合計所得金額62万円以下という当年の基準を確認します。
国税庁の説明には、2026年12月1日施行の改正に関する注記があります。施行前の中途年末調整の条件と、年末の通常の処理を混同しないようにしてください。前年の資料にある金額をそのまま転記せず、対象年と手続き時期を確認することが大切です。
合計所得金額は、給与収入や銀行への振込額と同じ数字ではありません。給与だけか、年金や事業など他の収入もあるかを家族に確認し、該当する所得の計算方法で見積もります。分からないまま「収入が少なそう」という印象だけで判定しないようにしましょう。
家族情報を記入する前に揃える項目
氏名・続柄・生年月日・所得見積を確認
家族の氏名、本人との続柄、生年月日、住所や生計の状況、その年の所得見積を確認します。必要な情報は申告書や勤務先のシステムで異なるため、実際の入力案内を基準にしてください。
親の年金や子のアルバイトなど、本人が正確な金額を把握していないこともあります。家族の給与明細や年金に関する資料などを確認し、対象年の見積に使える情報を揃えましょう。前年の年収を今年の見積として無条件に使うと、就職や勤務時間の変更を見落とすおそれがあります。
個人番号などの提出は、勤務先が案内する方法に従います。番号を通常のメール本文などへ自己判断で送らず、指定された手段で提出してください。家族情報の修正方法が分からない場合は、給与担当者へ確認します。
就職・結婚などの異動を反映する
就職、結婚、退職などで家族の状況が変わった場合は、必要な異動を反映します。年初に登録した内容が正しくても、年末まで同じとは限りません。
国税庁の令和8年分年末調整の説明では、扶養親族等の異動や、改正によって新たに対象になる場合の申告も案内されています。家族の人数が変わらなくても、所得見積や控除区分が変わる可能性がある点を確認してください。
子どもと親の扶養は年齢区分で扱いが変わる
16歳未満は所得税の扶養控除と分ける
所得税の控除対象扶養親族は、原則としてその年の年末に16歳以上の人です。16歳未満の子については所得税の扶養控除がないため、年齢を確認せず一般の扶養控除額を適用しないようにします。
ただし、所得税の扶養控除がないことと、申告書や会社の家族情報への記入が不要であることは別です。住民税等に関する欄など、必要な情報があるため、勤務先の案内に沿って記入してください。
19歳以上23歳未満は特定親族特別控除も確認
要件を満たす19歳以上23歳未満の扶養親族は、特定扶養親族として扶養控除63万円の対象となります。年齢に加えて所得などの要件を満たしているか確認します。
2026年分では、同じ年齢層でも合計所得金額が62万円を超え123万円以下の場合、特定親族特別控除を確認します。扶養控除の基準を少し超えたから一律にすべての控除がなくなる、と決めつけず、別制度の対象かを当年の申告書で判断してください。控除額は対象親族の所得によって異なります。
老人扶養親族と同居老親等を区別
70歳以上で要件を満たす老人扶養親族は、一般の扶養親族と控除額が異なります。老人扶養親族の控除額は48万円、同居老親等に該当する場合は58万円です。同居老親等は、年齢だけでなく本人や配偶者との関係、同居の状況などの条件を確認します。
| 主な区分 | 所得税の主な扱い | 確認する点 |
|---|---|---|
| 16歳未満 | 扶養控除の対象外 | 住民税等の情報記入は別に確認 |
| 一般の控除対象扶養親族 | 扶養控除38万円 | 年齢・所得・生計などの要件 |
| 特定扶養親族 | 扶養控除63万円 | 19歳以上23歳未満と所得要件 |
| 老人扶養親族 | 48万円、同居老親等は58万円 | 70歳以上と関係・同居などの条件 |
表の金額は所得から差し引く控除額です。その金額がそのまま年末調整で振り込まれるわけではありません。家族の条件を正しく申告し、税額計算へ反映する仕組みとして理解しましょう。
税の扶養と健康保険の扶養を混同しない
家族登録しただけで控除が決まるわけではない
健康保険の被扶養者認定と、所得税の控除判定は別の制度です。健康保険証などの扶養情報に名前があることだけで、年末調整の控除も受けられるとは限りません。
会社の家族手当にも独自の条件が設けられている場合があります。税の控除は当年の税制、健康保険は加入先の認定基準、会社の手当は勤務先の規定というように、確認する資料を分けてください。
国外居住の家族は書類と追加条件を確認
国外に住む家族を扶養控除の対象として申告する場合は、親族関係や送金に関する書類など、追加の確認が必要です。年齢などによる条件もあるため、国内の家族と同じ入力だけで完了するとは考えないでください。
国税庁の扶養控除の説明と勤務先の提出案内を確認し、どの書類を用意するか早めに整理しましょう。資料が足りない場合は、対象となる家族と不足項目を担当者へ伝えます。
提出前に当年分・翌年分と重複申告を確認
同じ家族を夫婦で重ねて申告しない
同じ子などを夫婦がそれぞれ扶養控除の対象として重ねて申告しないよう、家族内で確認します。片方が前年の内容をコピーし、もう片方が新しく入力すると、意図せず重複する場合があります。
会社から当年の年末調整用と翌年分の扶養控除等申告書を同時に渡されることもあります。用紙の年分を見て、当年の状況を確認しているのか、翌年の予定を申告しているのかを区別してください。
年末までの見積が変わったら勤務先へ連絡
提出後に家族の勤務状況や所得見積が変わった場合は、勤務先へ速やかに連絡します。会社の締切と年末の確定状況には時間差があるため、提出したら確認が終わりとは限りません。
家族ごとの情報を揃え、関係、年齢、所得、生計の順に確認し、必要な書類を当年の案内に沿って提出しましょう。分からない項目を残したまま控除を確定させず、確認先を明確にして進めることが大切です。
情報確認日:2026年11月3日。2026年12月の通常の年末調整を中心に整理しています。個別の控除判定や国外居住親族の書類は勤務先・税務署等で確認してください。


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