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年末調整の収入と所得の違い|見積額の書き方

給与明細と申告書を並べ収入金額と所得金額を確認する様子 仕事・お金
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基礎控除申告書の「収入金額」と「所得金額」を見て、どちらに給与の振込額を書くのか迷うことがあります。給与収入は税金や社会保険料を差し引く前の対象給与、給与所得はそこから給与所得控除などを反映した金額です。手取り額はどちらの代わりにも使いません。

さらに、給与以外の所得を合わせた合計所得金額と、所得控除を差し引いた課税所得も別の数字です。年末調整の控除判定で使う所得見積には、年末調整の対象にならない他社給与なども確認する必要があります。給与所得控除と社会保険料控除を同じ段階で引かないことが大切です。

収入から所得までの違い、年間の給与・賞与の集計、2026年分の給与所得控除、複数の収入がある場合と提出前の見直しを整理します。数字を段階ごとに分ければ、申告書のどの欄へ何を記入するか判断しやすくなります。

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年末調整の収入と所得は同じ数字ではない

給与収入は課税対象の支給額

給与の収入金額は、税金や社会保険料が差し引かれる前の、課税対象となる給与や賞与などの金額です。銀行へ振り込まれた額は、さまざまな控除後の手取りなので、申告書の給与収入欄へそのまま転記しないでください。

給与明細の総支給額に非課税の通勤手当等が含まれる場合は、課税対象の給与と区別します。「総支給」「課税支給」などの表示は会社によって違うことがあるため、どの数字を年間給与見込として使うか分からない場合は給与担当者へ確認しましょう。

給与所得は給与所得控除後の金額

給与所得は、給与収入から給与所得控除を反映して求めます。対象者には所得金額調整控除が関係する場合もあります。国税庁の給与所得控除の説明で、対象年の計算を確認してください。

数字の種類 意味 主な注意点
給与収入 課税対象の給与・賞与等 手取りや非課税手当を混ぜない
給与所得 給与所得控除等を反映した所得 給与から引かれた社会保険料とは計算段階が違う
合計所得金額 給与以外も含め所定の方法で合計する所得 各収入をそのまま足す数字ではない
課税所得 所得控除を反映した税額計算の土台 基礎控除前の所得見積と区別する
手取り 税金や社会保険料等を控除した受取額 申告書の収入・所得の代用にしない

「所得」という言葉だけで一括りにすると、基礎控除を引く前なのか後なのか分からなくなります。申告書に書く欄の名称を見て、今どの段階の数字を求めているかを確認しましょう。

給与の収入金額と所得金額を見積もる順番

年間給与と賞与を合計する

当年1月から12月までの課税対象給与と賞与を見積もります。すでに支給された分は給与明細などで確認し、まだ支給されていない分は勤務予定や会社の案内などから合理的に見積もってください。

毎月の給与だけを12倍すると、賞与、残業、勤務日数の変更などを見落とす場合があります。手元で支給済み分と今後の見込分を分けて集計すると、後で見積を更新しやすくなります。対象年の給与見込が会社から示されている場合は、その集計範囲も確認します。

当年の給与所得控除表を使う

2026年分は給与所得控除の改正に注意が必要です。2026年12月1日施行の改正により、給与収入220万円までの給与所得控除は74万円となります。前年の最低保障額をそのまま使わず、当年の資料で計算してください。

たとえば、2026年分の対象給与収入が200万円で、所得金額調整控除等を考慮しないと仮定すると、給与所得控除74万円を反映した給与所得は126万円です。これは収入と所得の違いを示す仮定例であり、全員の所得がこの式だけで確定するという意味ではありません。

給与収入660万円未満の場合は、年末調整で使う給与所得控除後の給与等の金額の表に注意が必要です。対象年の表や記載要領に沿って求め、インターネットの簡易式だけで勤務先の計算と違うと判断しないようにしましょう。

複数勤務先や給与以外の所得がある場合

他社給与も合計して給与所得を計算

複数の勤務先から給与を受ける人は、本人の所得見積では他社分の給与も確認します。勤務先ごとに給与所得控除を別々に使い、控除後の金額だけを足す方法ではありません。各社の給与収入を合計して、所定の方法で給与所得を求めます。

国税庁の令和8年分年末調整の手順では、基礎控除申告書の給与所得の欄に、年末調整の対象にならない他の支払者の給与も含めて記載する扱いが示されています。

主勤務先の年末調整で税額を計算する給与の範囲と、本人の合計所得見積に使う給与の範囲は同じとは限りません。「副勤務先の給与は主勤務先の年末調整へ合算しない」と聞いたから、基礎控除申告書の見積でも無視してよいとは考えないでください。

年金・事業などは収入ではなく所得を足す

給与のほかに公的年金、事業などの所得がある場合は、それぞれの所得の計算方法を確認します。年金の受取総額や事業の売上を、そのまま給与所得へ足す計算ではありません。

給与所得と他の所得を所定の方法で合計した数字が、控除の判定へ関係します。給与以外の所得がないと確認できた場合と、分からないのでゼロと入力する場合は違います。支払通知や帳簿など、対象となる資料を揃えてください。

株式の配当や譲渡益、退職所得などには申告方法等による取扱いがあります。すべての受取額を無条件に含めたり、源泉徴収されているからすべて除外したりせず、所得の種類と適用する扱いを公式資料で確認しましょう。

基礎控除申告書へ書く前の確認

社会保険料を給与所得の計算へ混ぜない

給与所得控除は給与所得を求めるための計算です。一方、社会保険料控除や生命保険料控除、基礎控除は、所得控除として税額計算の別の段階で反映します。給与収入から社会保険料を引いた数字を、給与所得として記入しないようにしてください。

基礎控除の判定に使う合計所得金額を求める際に、先に基礎控除を引いてしまうのも誤りです。所得を見積もり、その所得に応じた控除額を確認する順番を守ります。控除額を先に決め、その金額に合わせて所得を調整しないようにしましょう。

見積が変わったら勤務先へ連絡する

提出時点では12月の給与や賞与が確定していない場合があります。合理的な見積で記入し、後に金額が大きく変わったときは勤務先へ連絡します。控除の区分が変わる可能性があるため、提出済みという理由で放置しないことが大切です。

提出前には、年分、課税給与の範囲、賞与や他社給与の有無、給与以外の所得、当年表の使用、所得控除との混同を順に確認します。どの資料から数字を作ったか分かるようにしておくと、勤務先から確認を求められても対応しやすくなります。

迷った場合は、手取り額で埋めるのではなく、申告書のどの欄にどの資料の金額を使うかを担当者へ確認してください。給与収入、給与所得、合計所得、課税所得を分けて整理することが、見積額を正しく記入する土台になります。

情報確認日:2026年11月4日。2026年末の通常の年末調整を中心に整理しています。所得の種類や計算上の特例、改正施行前の中途年末調整は、公式資料・勤務先等で個別に確認してください。

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