年の途中で会社を辞め、年末調整の書類をどこへ出せばよいか分からなくなることがあります。退職後の年末調整は、同じ年に再就職したかどうかで確認します。同年に再就職した場合は原則として新しい勤務先で前職給与を含めて調整し、再就職しない場合は原則として年末調整を受けず、本人の確定申告を確認します。
ただし、中途退職でも年末調整される例外があります。10月や11月、1月といった退職月だけで決めず、再就職の状況、給与の支払、退職の事情を確認してください。また、年末調整を受けていない人全員に納税の確定申告義務があるわけではなく、納め過ぎた税金の還付申告とは区別が必要です。
再就職の有無による手続き、前職の源泉徴収票、本人の申告、例外となるケースを整理します。退職した会社と今の勤務先のどちらへ何を確認するかを決め、必要書類を揃えやすくなります。
年途中で退職した人は再就職の有無で確認
同年に再就職したら新勤務先へ源泉徴収票を提出
中途退職した年と同じ年に再就職した場合は、原則として新しい勤務先で、前の勤務先の給与を含めた年末調整を行います。前職の源泉徴収票を新勤務先へ提出し、対象となる給与等を確認してもらいましょう。
国税庁の中途退職と年末調整の説明でも、同年に再就職した場合と、再就職しない場合が分けられています。退職月が10月でも11月でも、まず年内の再就職と年末の勤務状況を確認してください。
転職先が決まっただけで、前職情報が自動で引き継がれるとは限りません。入社時の提出一覧と年末調整の案内を確認し、源泉徴収票の提出先と期限を担当者へ確認します。
再就職しない場合は原則年末調整されない
年途中で退職したまま再就職しない場合は、原則として勤務先による年末調整を受けません。給与から毎月引かれていた税金は概算のため、年間の正しい税額より多く徴収されている場合があります。
| 退職後の状況 | 確認する処理 | 本人が準備するもの |
|---|---|---|
| 同年に再就職 | 新勤務先で前職給与を含む年末調整 | 前職の源泉徴収票、控除資料等 |
| 年内に再就職しない | 原則年末調整なし、本人の申告を確認 | 源泉徴収票、所得や控除の資料 |
| 中途年末調整の例外に該当 | 退職した勤務先等の処理を確認 | 退職事情と給与支払に関する情報 |
退職した会社へ年末調整書類を出せば、退職時期にかかわらず必ず処理してもらえるわけではありません。一方で、書類を出す先がないから税金の確認も不要になるわけではありません。本人の年間の所得と控除から、必要な手続きを確認します。
再就職先で前職給与を含めて調整する場合
前職の給与・源泉税・社会保険料を確認
再就職先では、前職の対象給与、源泉徴収税額、社会保険料などを源泉徴収票で確認します。前職の給与額だけを口頭で伝えて終わりにせず、正式な資料を用意してください。
国税庁の中途就職者の年末調整では、前職分の確認ができない場合は年末調整できないと案内されています。給与明細の手取り額を足したものは、源泉徴収票の情報の代わりにはなりません。
同時に二社で働く副勤務先の給与と、退職した前職の主たる給与は扱いが異なります。複数の源泉徴収票がある場合は、勤務期間や扶養控除等申告書の提出先を整理して担当者へ相談しましょう。すべての他社給与を無条件に合算するわけではありません。
源泉徴収票がないときは前職へ発行を依頼
源泉徴収票が見当たらない場合は、前職の給与・人事担当へ確認します。紙で受け取ったのか、退職者向けサイトなどに電子交付されているのかも調べてください。電子の場合は退職後の閲覧方法を早めに確認しておくと安心です。
再就職先の提出期限に間に合わない可能性があるときは、その状況を新勤務先へ伝えます。発行依頼だけを済ませて待つのではなく、前職資料が不足しているため処理が止まることを共有しましょう。
源泉徴収票が複数ある場合は、対象年と発行元を確認し、訂正版や再発行分を別の勤務先分として重ねて数えないようにします。前職の給与がどこまで新勤務先に反映されたかも、最終的な源泉徴収票で確認してください。
年末調整を受けない場合の確定申告
還付申告と納税の申告義務を区別
年末調整を受けなかった場合、納め過ぎた所得税等があれば、本人の確定申告で還付を受けられることがあります。国税庁の中途退職の案内では、還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出できると説明されています。
たとえば2026年分の納め過ぎを確認する還付申告は、翌年の2027年になってから行います。ただし、これは還付を受ける場合の案内です。他の所得などにより納税の申告義務がある人の期限を、同じように5年間と考えてはいけません。
中途退職した人は全員必ず還付される、または全員必ず納税申告が必要ということでもありません。給与以外の所得、源泉徴収税額、控除などを含め、自分の状況を確認してください。
源泉徴収票と控除証明書を揃える
申告を確認する際は、当年の源泉徴収票、給与以外の所得資料、対象となる保険料等の証明書を用意します。退職後に自分で納めた国民年金や健康保険料なども、支払記録と該当する控除の条件を確認しましょう。
給与から天引きされた社会保険料と、退職後に別途払った分は、二重に計上しないよう整理します。控除証明書の名義や対象年を確認し、前年の支払を今年分へ混ぜないことも大切です。
手続きが分からない場合は、年末調整が済んでいるか、どの源泉徴収票があるか、どの控除を確認したいかを整理して税務署等へ相談してください。会社への提出と本人の確定申告は別の手続きなので、現在の勤務先の有無にかかわらず必要な資料を保管しておきます。
中途退職でも年末調整される例外
死亡・障害などの条件を確認
国税庁の年末調整対象者の説明では、死亡による退職、著しい心身の障害による退職で再就職して給与を受ける見込みがない場合、海外転勤等で非居住者になる場合など、年の途中に年末調整を行う例が示されています。
いわゆるパートタイマー等の退職にも、年間給与や退職後の給与見込みに関する条件があります。2026年は税制改正の施行時期にも注意し、特定の給与額だけで中途年末調整を受けられると一般化しないでください。該当するかは勤務先と当年の公式資料で確認します。
12月給与支給後退職は別に確認
12月に支給されるべき給与等を受け取った後の退職も、年末調整の対象となるケースです。12月末の在籍だけを見て決めるのではなく、給与の支払と退職の順序を確認してください。
1月退職の場合は、前年12月の勤務分が1月の支払として当年の給与に関係することもあります。働いた月と給与の年分を同じものと思わず、支給日や支払が確定する時期を給与資料で確認しましょう。
退職後の確認は、対象年、再就職、源泉徴収票、年末調整の例外、本人の申告の順に整理します。退職月だけで結論を出さず、前職と新勤務先の処理を確認し、資料が不足している場合は早めに連絡することが大切です。
情報確認日:2026年11月5日。一般的な中途退職の手続きを整理しています。年末調整の例外や2026年改正の施行前後、申告義務と期限は勤務先・税務署等で確認してください。


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